眼瞼(まぶた)の手術

眼瞼下垂

眼瞼下垂前

眼瞼下垂後

眼瞼下垂(がんけんかすい)について

眼瞼下垂とは、うわまぶたが下がることをいいます。厚さ数ミリの上まぶたの中に上眼瞼挙筋、ミューラー筋と呼ばれる薄い筋肉があり、重力に逆らって眼瞼を持ち上げています。眼瞼下垂は、「先天的にこれらの筋肉の形成不全がある先天性」、「交感神経の異常による神経原生」、「加齢により筋肉が緩む老人性」の3つに大別できます。

最も多いのは老人性で、眼科の外来では日常的に診られます。眼瞼下垂の方は、上まぶたが下がって見にくいので、無意識に額の筋肉を使い、眉毛ごと上まぶたを持ち上げているため、常に額しわが寄っています(片側の下垂では、下垂のある側の額にしわが見られます)。また上まぶたが瞳孔の上部を被うので、顎を上げて、下目使いに物を見ようとされます。美容的な問題だけでなく、見え方の質を障害し、肩こりや、頭痛などの原因になっている場合もあります。

当院では、炭酸ガスレーザーを使用したミュラー筋短縮術という術式を日帰り手術で行っています。手術時間は、片眼で約30分程度です。

眼瞼下垂の症状

  • 上のまぶたが垂れ下がってきた
  • 上まぶたが重く感じる
  • 意識的に目を見開かないと見えにくい
  • 「眠そう」「目つきが悪くなった」と言われる
  • 慢性的な頭痛や肩こりがある
  • 上まぶたを指で持ち上げるとよく見える
  • 額に深いしわができた
  • 目と眉の間が開いてきた

眼瞼下垂の手術費用

眼瞼下垂の手術には健康保険が適用されます。片目だけの手術費用は以下の通りです。

保険種別 保険種別 自己負担額
高齢者医療 1割負担の方 7,200円程度
2割負担の方 14,400円程度
健康保険 3割負担の方 21,600円程度

※症状の程度によって使用される薬剤などが変わる場合があるので、上記金額は目安とお考えください。
※高齢者医療においては、医療機関などに支払った医療費の自己負担額が定められた金額分が上限金額となります。

手術後の注意点

手術後は眼帯ではなく、まぶたにガーゼを当てます(手術当日のよるだけ)。そのため、この間は視界は狭くなりますが、両眼の同時手術を受けても翌日からほぼ平常通りの生活を送れます。
手術後、まぶたの腫れや内出血が起こることがありますが、1~2週間程度で改善していきます。この間は、サングラス等の装用をお勧めします。

  • 術後1週間後は、傷の腫れを抑えるためアイスノン等で冷却することをお勧めします。
  • 抜糸の必要があります。抜糸は約2週間後です。
  • 飲酒や喫煙は手術後、約1週間控えていただきます。
  • シャワーは翌日から可能です。ただし、傷跡が濡れないよう、注意しながら浴びてください。
  • 手術後、赤みが残っている間に直射日光を浴びると色素沈着を起こす場合がありますので、ご注意ください。

内反症(逆まつげ)

正常なまつげ

内反症

何らかの原因でまつ毛が内向きに生えたり(睫毛乱生:しょうもうらんせい)、まぶたが内側にめくれる(睫毛内反:しょうもうないはん)と、まつ毛が角膜にあたり傷がつきます。角膜に傷がつくと異物感(ゴロゴロする、さっぱりしないなど)、充血、なみだ目、ばぶしいなどの症状があり、視力低下の原因となることもあります。こどもの睫毛内反は下まぶたの鼻側に多く、生まれつきの場合でも成長に伴って自然に治ることもあります。いつも目をこする、涙っぽいなどの症状が気になるときは、眼科専門医を受診してください。

ご年配の方はまぶたの皮膚や皮下組織が弱まり、下まぶたが内側に向くことが多いのですが、上まぶたに起こることもあります。子供も大人も、角膜の傷が軽ければ、角膜保護の目薬で様子を見ます。また、まつ毛を抜く方法もありますが、次々と生えてくるので毎週のように通院が必要になります。頻回の通院がご負担な場合や症状が強い場合、角膜中央に傷がついて視力が低下する場合などは、手術をして治します。睫毛内反症に対して、当院では炭酸ガスレーザーを用いた下眼瞼牽引腱膜縫着術(かがんけんけんいんけんまくほうちゃくじゅつ)という術式の日帰り手術を行っております。手術時間は片目約30分程度です。

内反症の手術費用

内反症の手術には健康保険が適用されます。片目だけの手術費用は以下の通りです。

保険種別 保険種別 自己負担額
高齢者医療 1割負担の方 2,000円程度
2割負担の方 4,000円程度
健康保険 3割負担の方 6,000円程度

※症状の程度によって使用される薬剤などが変わる場合があるので、上記金額は目安とお考えください。
※高齢者医療においては、医療機関などに支払った医療費の自己負担額が定められた金額分が上限金額となります。

眼瞼腫瘍

瞼(まぶた)にできる腫瘍は、良生と悪性に大別できます。瞼の縁や目の周りの皮膚にカリフラワー状、半球状、平坦な盛り上がりなど、様々な形の隆起性病変として認められます。表面も平滑なもの、不正なものがありますが、表面に潰瘍を形成するものは悪性の可能性があり要注意です。良性のものは乳頭種、老人性疣贅(ゆうぜい:イボのこと)、母斑細胞母斑などがあります。悪性は扁平上皮癌は初期には霰粒腫(ものもらい)との鑑別が困難で、霰粒腫として複数回の切除を受け、再発を繰り返した後に診断されることがあります。みたに眼科クリニックでは、基本的に炭酸ガスレーザーを用いて切除し、悪性が疑われる場合は病理検査を行っています。

 

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